睡眠というものは
活力の復活を現実になすべく
すべての生物に賦与されたる自然作用である。
したがって睡眠に要する時間というものは、
その人の活力の消耗程度に
相対比例して行われるべきが正当なので、
各人各様決して
一様に一定し得べきものでなく、
同一の人でもその日の活力の消耗程度で
睡眠に8時間を要する時もあり
5、6時間でよい時もある。
その日その時の
活力の消耗の程度に適合する
言い換えれば
生命の要求する時間を睡眠するというのが、
最も自然法則に順応せる方法なのである。睡眠を真に催(もよお)した時に睡眠し、
然(しか)らざる時には睡眠するべく
無駄な努力を為さぬのが最も聡明なのである。
いろいろの方法や手段を講じて
無理にも眠ろうと、
あれこれと種々の努力をしても
なかなか思うように眠れないものである。
それは、何とかして眠ろうと
焦れば焦るほど、
神経が興奮するためで、
その上にかかる無駄な努力をすると、
精力の二重疲労を招来する結果に
陥るのである。
中村天風
笑いと睡眠こそが最良の薬
僕
Comments