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■ 中村天風 | 一日一話
元気と勇気が湧いてくる、哲人の教え366話
2022/7/30 悟れたと思った時が迷いなり
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「悟れたと思った時が迷いなり」というのは、
人生には、もう完全に理解したとか、
あるいは卒業したとかいうことは
ありえないのである。
否、断然ありえないのが人生である。
否、否、人生とはそんな
単純なものではないのである。
人の一番大切な、
心の働きを左右する「感応性能」なるものが、
その積極化を強要する点において、
何ら限度がないからである。
換言すれば、久劫永遠の宇宙生命と
相対比例の下に、
まことにそれは驚異に値する
無限的な存在以上の実在であるがためである。
中村天風
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天風メルマガ「中村天風 一日一話」は
中村天風著作のなかから特に大切にしたい
言葉を収録した書籍『中村天風 一日一話』
から転載しています。
本日の一日一話の出典は
『真理のひびき』箴言29です。
【書籍ページはこちら】
▼『中村天風一日一話』
https://www.tempukai.or.jp/mail_link/books.recommend/90.html
▼『真理のひびき』
https://www.tempukai.or.jp/mail_link/books.recommend/167.html
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▼天風と石川素童禅師のエピソード
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(機関誌「志るべ」に掲載された
「新箴言註釈29」現代語表記版より引用抜粋)
※『真理のひびき』箴言29に該当。
禅家の名僧であった石川素童師が、
65歳の時に天風会に
杉浦重剛先輩の紹介で入会された時、
未だ素童禅師より20年も若年であった私が、
「貴僧はすでに悟入徹底(ごにゅうてってい)
(注・真理を悟り、貫きとおすこと)の方と
お見受けするが、
何の必要あって後輩の者の説を
聴こうとされるのですか?」
と訊ねたとき、
率直に「悟入徹底などまだまだです。
ましてや教えの実行などはなおさらです」
と明瞭にいわれて、
「人生というものは、
なかなか以って悟れるものではござらん」と
しみじみといわれて、
実に逝去の間近まで杉浦先輩と同伴で、
熱心に聴講されていた。
実際、その真理に対する謙虚な態度は、
演壇上から思わず合掌したい気持ちに
しばしばさせられたという、
私には価値の高い思い出がある。
そして私の降壇後、
親しく私の傍らに来られて
恭(うやう)やしく合掌礼拝されて
「今日もまた有難いかな、
煩悩心が洗われました」と
心の底から感謝されるのには、
当時未だ若輩であった私は、
思わず内心恥じ入るものをしばしば感じて、
一層自己の心を研ぎ上げることに
拍車をかけたものである。
事実において、こういう偉い人というものは、
人生道に果てしなしということを、
充分に悟られているから、
決して出来たとか、
あるいは徹底したとかいうことを、
かりそめにも口にしない。
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▼『真理のひびき』
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■ 7月の天風箴言
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「思ひやり」という事を現実にするには
先づ何を措いても
相手方の気持になって考へて見る事である
▼天風箴言の解説は、
公式HPでご覧いただけます
https://www.tempukai.or.jp/mail_link/know/proverbs.html
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■天風メルマガ発行元
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